不動産を売却するときには、一般的に物件を買主に引き渡す前に、ひび割れや壁紙のはがれ、設備の破損などを補修する必要があります。
しかし、これには費用も時間もかかってしまうほか、物件によっては予想外の損失につながりかねません。
そこで今回は、不動産の売却を検討する方に向けて、メリットの多い「現状渡し」という方法についてご紹介します。
不動産売却における現状渡しとは?
「現状渡し(げんじょうわたし)」とは、現況有姿ともよばれ、物件の瑕疵について修繕をせずそのまま買主に引き渡すことをいいます。
物件の瑕疵とは、利用上明らかにトラブルにつながるもので、たとえば次のようなものが当てはまります。
●壁のひび割れ
●壁紙や床、フローリングなどの破損
●給湯器や浴槽など、設備の破損
●雨漏りなど
通常はこうした瑕疵を修繕したうえで買主に引き渡すため、瑕疵を残したまま引き渡す場合、買主に対する告知義務が発生します。
現状渡しでは、不具合のある場所やこれまでに修繕した箇所について、買主と売主の間で合意を得たうえで引き渡します。
現状渡しでの不動産売却によるメリットとデメリット
現状渡しでの不動産売却によるメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット①補修費用の節約
売却前の物件の補修費用は、売主が負担します。
売却によって費用分を回収できれば実質的な負担はありませんが、中古物件の場合は相場や築年数によっては金額設定が難しく、相場よりも高く売れる可能性は低いでしょう。
現状渡しは補修費用が不要なほか、修理の必要性や修理費用をいくらまで支払えるのかについて事前に検討する手間を省くという意味でも、大きなメリットといえます。
メリット②希望どおりの売り出し時期がかなう
補修のための工事が必要ないため、売りたいと思ったときにすぐに物件を売りに出すことが可能です。
補修工事には業者の選定や見積もり、日程調整のほか、時期によって空きがない、工期が遅れるなどのリスクもありますが、現状渡しではこうしたリスクを回避できます。
デメリット①売却額の設定に注意
補修をしていないことが欠点となり、相場どおりの売却価格では売れ残ってしまう可能性がある点は、デメリットの一つです。
低めの価格設定や、内覧に立ち会い誠意をもった対応をするなど、付加価値を付けることが短期間の売却につながるでしょう。
まとめ
今回は、不動産の売却を検討する方に向けて、メリットの多い「現状渡し」という方法についてご紹介しました。
経費の節約や素早く売り出せる点が現状渡しのメリットです。
メリットとデメリットをおさえて、物件に合った売却方法を選ぶことが、不動産売却の大切なポイントです。
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